前のステップのデータを使う
多くのフローはデータを受け渡しながら進みます。フォームが送信され、あるステップが顧客を調べ、次のステップが顧客の名前を使って返信を下書きし、最後のステップがメールで送る。各ステップは、それまでのステップが生成したものを使います。
これを実現するのが データ参照 です。ステップの設定項目に置く目印で、フローの実行時に実際の値に置き換わります。
参照を挿入する
- ステップの設定項目をクリックします。
$を入力します。使えるデータの一覧が開きます。- Current Trigger: この実行を開始したイベントのデータ。
- ノード: それまでの各ステップ。フローの順番に 2. 顧客を検索 のように番号付きで表示されます。
- 実行: 実行 ID など、この実行自体の情報。
- ステップを選び、使いたいフィールド(例:
email)を選びます。

参照は項目内に 顧客を検索.email のようなチップとして表示されます。前後に文章を書くこともできます。
顧客を検索.first_name 様、お問い合わせありがとうございます。
フローを実行すると、チップはその実行の値に置き換わり、愛子 様、お問い合わせありがとうございます。 のようになります。
項目の横の + をクリックすると、同じ一覧を大きなパネルで参照できます。参照は データポイント タブ、関数は 関数 タブにあります。
一覧に出るのはステップが出力 できる フィールドです
一覧のフィールドはステップの定義から作られ、実際の実行結果ではありません。API のカスタムフィールドなど、定義にない値が返る場合も、パスを直接入力すれば使えます。フローを一度実行し、実行履歴 でステップが実際に返した内容を確認してください。
参照の書き方
チップの裏側は短いテキストです。参照をコピーしたときや、参照が解決できなかったときに目にします。
| 参照 | 意味 |
|---|---|
$trigger.output.email | この実行を開始したトリガーの email フィールド。 |
$.01JA9F3K7Q2M8XVBC4RTE5NHWD.output.email | ID が 01JA9F… のステップの email フィールド。 |
$execution.runId | この実行の ID。 |
各ステップには ID($. の後の長い文字列)があります。ID は変わらないため、ステップの名前を変えても参照は壊れません。ID を手で入力することはほとんどありません。$ の一覧から選ぶか、一覧のステップ横にあるコピーボタンを使ってください。
データの奥へ進むには、ドットで名前をつなげます。リストの位置や、空白を含む名前には角かっこを使います。
| 参照 | 取り出すもの |
|---|---|
$trigger.output.customer.address.city | フィールドの中のフィールド。 |
$trigger.output.items[0] | リストの最初の項目。0 から数えます。 |
$trigger.output.items[-1] | リストの最後の項目。 |
$trigger.output.items[0].price | 最初の項目のフィールド。 |
$trigger.output['First Name'] | 空白や記号を含む名前のフィールド。 |
詳しい規則は 式 を参照してください。
テキスト・数値・リスト
値の入り方は、項目にほかに何が書かれているかで変わります。
- 参照だけが書かれている: 値の型がそのまま保たれます。数値は数値、リストはリストのままです。リスト全体をループに渡したり、オブジェクト全体をコードに渡したりするときに使います。
- ほかのテキストの中に参照がある: 値はテキストに変換されます。リストやオブジェクトは
["a","b"]のような JSON テキストになります。
そのため、レコード一覧 のレコードのリストをループに渡すときは、項目に参照だけを書き、前後に何も付けないでください。
関数で値を加工する
大文字にする、リストの件数を数える、価格を合計するなど、値を加工してから使うには、項目を関数で始めます。関数 タブから選ぶか、直接入力します。
| 項目の値 | 結果 |
|---|---|
$uppercase($trigger.output.name) | AIKO TANAKA |
$count($trigger.output.items) | 3 |
$sum($trigger.output.items.price) | 全項目の価格の合計。 |
$now() | 現在の日時。 |
関数が実行されるのは、関数が 項目全体 のときだけです。合計: $sum(...) のように書くと、関数はただのテキストのまま残ります。大きな加工にはフォーマッターやコードのステップを使ってください。使える関数は 式 に一覧があります。
実行の情報
実行 グループには現在の実行の情報があります: フローID、実行ID、組織ID、ワークスペースID、フロー名、フローバージョン、トリガータイプ、開始時間。
実行の情報は単独で使います
$execution.runId などの実行の情報は、項目全体がその参照のときだけ値に置き換わります。ほかのテキストの中ではそのまま残ります。文章の中で使いたい場合は、コードのステップを追加し、値が $execution.runId だけの入力パラメータを作ってコード内で文章を組み立て、そのステップの出力を参照してください。
参照が見つからないとき
参照が空でも実行は止まりません。どうなるかを知っておくと安心です。
| 状況 | 結果 |
|---|---|
| そのステップがこの実行で動いていない(例: 通らなかった分岐にある) | 参照のテキストがそのまま残ります(例: $.01JA9F….output.email)。 |
| ステップは動いたが、出力にそのフィールドがない | 空になります。テキスト内では消え、項目全体の場合は空(null)です。 |
| リストが空 | 空のリスト [] です。 |
メールに $.01JA… が含まれて届いたら、参照先のステップがその経路で実行されていません。実行履歴 でどの分岐を通ったか確認してください。
特別なケース
- ループの中: ループ内のステップは、ループステップの出力(例: ループ.currentItem)から現在の項目を読みます。リストの各項目を処理する を参照してください。
- コードのステップ: 入力パラメータ でデータを渡します。追加したキーはそれぞれコード内の変数になります。参照はコードの中ではなく、値の側に書いてください。
- 変数ノードで保存した値: 保存した変数は直接参照できません。変数ノードの 値の取得 を追加し、そのステップの出力を参照します。フロー間で値を共有する を参照してください。
- Webhook待機: 待機中のステップのコールバック URL は、
$の一覧の 実行 グループに コールバックURL用 として表示されます。前のステップでこの URL を、フローを再開させる相手に送ってください。応答があるまでフローを止める を参照してください。